何気ない会話 | せきらら性教育

何気ない会話

息子が学校で転んでひじをすりむいた。それで、絆創膏をはってくれ、といってきた。


だんなが、絆創膏を風呂場のキャビネットにとりに行こうとすると、息子が


「Oh, come on! Here you are! Ha」

もー、何してんだよぉ。ここにあるんだよ。はぁ。


と言った。思いっきり失礼な口調でね。このあとは、いわずと知れた、非常に不愉快な会話と、不愉快な言葉の応酬・・・。


ほんのちょっとね、柔らかく言うとか、柔らかく受けるとか、一拍おいてから言うとかね、ほんのちょっとのことで、もっと気持ちのいい会話ができるようになるんだけど。お互いのイライラをぶつけ合って、どっぷり自己嫌悪。


しかし、息子がえらい点は、こういうことがあった後に、謝りにくること。わたしにはできぬ(すまぬ)。


たとえば、人は言葉を獲得することで、コミュニケーションが潤滑になった。インターネットのおかげで情報量も豊かになった。


息子との関係に関して言えば、彼がほとんど話せなかったころよりも、彼との会話量などは確かに増えている。


でも。


そこで伝えているものはどうだろう。わたしは、ちゃんと愛情を伝えられているのだろうか。


息子が小さかったときに


「ねー、Yちゃんー」

「なあに?」

「なんでもない」


「ねー、おかあー」

「なあに?」

「なんでもない」


というくだらない会話をよくした。そのときに伝えられていたことが、今、どれだけ言葉を使っても伝えられていないような気がする。


ま、今、これを息子にやったら、


「用事がないなら呼ばないでよ(怒)」


なんてことになって、またしても騒ぎが起きるんだろうけど。


何も言わない、ということも、言葉の使い方かな。