話せない・・・ | せきらら性教育

話せない・・・

息子をバロックの室内楽のコンサートに連れて行った。生演奏って本当におもしろい。ああそうか、こんな風にハーモニーが作られているんだ・・・と感心する。ほんとに録音されたものを聞くのとぜんぜん違う。どんなに録音記述が発達しても、絶対に生演奏にはかなわない。


音楽が盛んなこの町ではこういう小さなコンサートがたくさんあって、生演奏を聞く機会がとっても多いのでうれしいわたしです。


で、だんながいないんで息子と二人で行ったんだけど。


コンサートが始まる前、コンサートの休憩時間に、話すことがない!


彼の好きな漫画の話を知った振りして話せないし、


友達のことは、そりゃあもう、秘密にしておきたいことが多くなってるし、


わたしが日本でどんなことをしてたかはこういうときには話題として適当でないし。


で、倦怠期の夫婦のように黙ってる我々。


例えば、彼がもっと小さかったときには、音楽の構成の仕方とか、今日の演目についての解説とかしてあげられたんだけど。それで、もっときちんと大人だったら、今日の演奏についてとか話し合うことも出来ると思うけど。


ちょうど中途半端なんだよね。こっちがえらそうに教える時期ではないし。かといって、向こうの知識は中途半端だから、話し合ったりもできないし。中途半端に間違ったことや頓珍漢なことばっかり言ってくるので、それをいちいち指摘して修正するのも、お互いにいらつくし。


「おかあ、これって、何でバロックていうの?」
「この前、ソフィーの世界、読めって言ったやろ。あれにきちんと書いてあるやん。お前、ちゃんと読んだんやろな? スパイ小説ばっかり読んでて、斜め読みしたんやろ。家に帰ったら読み直しや」
「・・・け」


最悪・・・。口うるさい嫌な親の典型・・・。


かといって、いつまでも、親がいちいち口移しで知識をあげるわけにもいかんしね。こういうとき、教師は楽よね。宿題出せばええんやもん。


ああ、早く自分で知識を見つけて得ていく楽しみを覚えて、その知識で武装してわたしに議論の戦いを挑んで欲しい・・・と思うわたしでした。しかし、息子は怠けもんなんで、親から知識がもらえるからそれで楽ちんしよう、と思ってるらしい。


やっぱり、口うるさく、自分で知識を見つけて来い、本を読め、考えろ、って言うしかないんでしょうかね。


それで、うん、確かに、10代の前半、親との関係がこじれるのはよくわかる・・・と納得しているわたしです。

一旦、親から離れて、自分の力でいろんなものを得ることで成長していくんでしょうね。それで、もう一回、親のところに一個の個性として帰ってくるのかなあ、なんて。


さあ、息子よ、早く親離れしてとっととどっかへ御行き!