町の中で聞かれました | せきらら性教育

町の中で聞かれました

土曜の町は混んでいた。息子のYと買い物に出かけ、ごちょごちょといろいろ買い込んだ。最後に牛乳を買いに近くの雑貨店に行くことになった。

件の雑貨店は、いわゆるキヨスクで、新聞雑誌コカコーラに牛乳、絵葉書、浮き輪、といろいろ売っている。その店に向かう途中、Yが聞いてきた。

「あの店に行くと、雑誌のところにたくさーん女の人の裸が出てる雑誌があるけど、あれなあに」

町はとても混んでいた。Yは声がでかい。わたしは目の前を歩くおばさんの耳が大きくなるのを目撃した。

「あれは、ポルノじゃ」

わたしの声も大きい。

「誰が買うの」
「男の人たちじゃなあ、ほとんどは」
「なにするの」
「あれを見ながら何をするんじゃ。ナニをナニをナニを・・・」(冗談言ってる場合かい!)
「じゃあ、おとうも買うの?」
「いや、おとうは買わん。わしがいるではないか」(ナニを言い出すのか)
「なるほど・・・」(納得したよこの子は!)

これで、終わりか、と思ったら、Yは最後に一発。

「見てもいーい?」
「裸の女が見たければ、ウィーンの美術史美術館にでも、パリのルーブルでも、イタリアでもつれてったるから、雑誌はいけません」

女の人を物として扱っているからね。

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付記: といって、決してこれらの芸術機関がポルノ機関よりもすぐれているわけではありません。たとえば、芸術界における女性の権利のために活動しているゲリラ・ガールズによれば、「メトロポリタン美術館に入るのに女の子は裸じゃなきゃいけないのよね。現代美術のコーナーでは作家の5%しか女性じゃないけど、裸のうちの85%は女性なのよ」ま、ポルノも芸術も女性蔑視に関しては引き分け!ってとこですか。

性教育は、女性蔑視をなくすためにも必要だと思うんですけどね。